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Geo Story _ Hinoemata Mura Village  

Geo Story 

1200年の歴史
人口600人の平家落人伝説の村
桧枝岐村

福島県奥会津にその村はある

檜枝岐村、それは山と山の間にあるとても小さな村だ。標高900mを越える場所で米の栽培も困難な地域だけに山川の恵みを分けてもらい1200年の歴史を繋いできた。
 
実は村内に僕の同級生もいてアルペンスキーでは全日本クラスだったのを覚えています。桧枝岐村の方言は会津の言葉と全く違うので村民どうしの会話は全く分からない。東北の言葉の特徴の濁点がなく、本当に平家の落人なのか?と考えさせられた。村内の苗字は平野 橘 星がほとんどで、最近では移住者もいて少し名字が増えたみたいです。

さて、本題に入ります。米が作れない地域でなにを食べてきたかというと、蕎麦や山菜 獣肉や川魚、米の代わりに蕎麦の栽培をしていて、その蕎麦は山芋を繋ぎに入れた「裁ち蕎麦」が有名で小さな丸い生地を菜っ切り包丁で上から下に裁っていくので「裁ち蕎麦」となる。他に生地を大きく切って野菜などと炊いたあまりにも美味しいのでご法度となったらしい「そばはっとう」も奥会津伝統の料理である会津全域の広まった「わっぱめし」は桧枝岐村が発祥であることはあまり知られていない。
 
マタギや林業の方々のお弁当であった。秋田のまげわっぱも有名ですが、桧枝岐村の星さんが作るわっぱは芸術作品と言ってもいい位の仕上がりです。会津全域で提供されていると会津若松が発祥なのかと勘違いされる方も多いようです。
 
四方を山に囲まれている桧枝岐村なら当然といえば当然なのだろう。上には尾瀬の湿原があり、清らかで豊富な水に恵まれている。ある人は「ここは、奥会津の桃源郷だ。」と言ったそうです。その川には多くの魚もいて、その中でも桧枝岐村と言えば「サンショウウオ」。見た目と違って干して焼いたり天ぷらにしたり、クセの無い食べやすさで、滋養強壮にもってこいの超パワーフード。厳しい環境下においてその昔から食べられてきた自然の恵みなのだろう。

 
 
 
 
 
 
 

誇りある地域文化

地域文化として270年の歴史がある桧枝岐歌舞伎。もともと神に捧げる奉納歌舞伎として行われて来ました。一説によるとお伊勢参りの道中、歌舞伎を観劇してきた者が村で見よう見まねで始まったとされてます。裏方から全て村人の手作りの歌舞伎です。今も多くのファンがいて遠方から足を運んでわざわざ運んで年3回大盛況の賑わいです。

1200年という長い歴史をこの四里四方の恵みで繋いできたことは、とても素晴らしいと思います。雪深いこの地域ならではの工夫や生き方はとても興味深いと思いました。とても小さな桧枝岐村ですが、人も 自然も 食も魅力に溢れている最高の山里であることは間違いないと思います。

 

料理人
 黒 澤 俊 光
 
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