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Geo Story _ Mirai no Shokutaku  

Geo Story 

未来の食卓

食べるという行為

ごく当たり前のことですが、私たち人間も生きている以上必ずお腹が減ります。その信号を脳で感じると食事を摂りますが、何時間かが経てばまた同じ信号が届き、結局2度や3度と何かを食するという日々を繰り返しています。ものすごくドライな言い方をすると、食べるという行動そのものの根本的意味は生命活動に必要なエネルギーを都度補填する行為であり、それが反復継続される事で生きているわけです。もちろんこの事は、この地球上に生きとし生けるものすべてに当てはまることです。

 
 
 
 

食糧と人類の関係性

実際の私たちヒトの日常においてはそんな本質論は特に気にならず、実際あまり人気も無いでしょう。そんな事よりも、人生を生きる間により幸福な瞬間を可能な限りたくさん持ちたいという感情が優先し価値となるものです。豊かな感情を持つ私たち人類の特徴の一つです。

ヒトはこれまでの歴史の中で進化し、ただ空腹を満たすためのみではなく、食事の素材や調理法の細部に至るまでアンテナを張り巡らし、ついにはより良い食材の調達や素材となる動植物そのものの畜産や栽培や品種改良まで行い、いかに美味しくそれらを食すか提供するか、その時間をいかに楽しいものにするかということに大きな情熱を注ぐ、地球上の生命体の中では類稀な生き物となりました。紀元前何千年も前から様々な知恵を駆使し、食料を安定確保する技術を人類総出で磨いてきました。
 
定住のための栽培が本格的に始まった頃は、単に食料を確保することが目的の中心に置かれていたと考えるのが自然ですが、近代・現代の食という場面においては、より心を満たす事を目的とした美食追求欲求が急激に加速しているように感じます。個人的に私自身はそれを否定するスタンスではありません。むしろ、最高のものを追求しようとする人間そのものの心や気質が大好きです。

 

100万年後の人類

地球上のありとあらゆる連鎖を司るその他の生き物たちと同じ生命体として日々を生きる一面、豊かな感情を持ち幸せな瞬間を日々追求する一面、一見対極に存在するかのようなその二つを生来持つのが私たちヒトである以上、それら両方を永続的に維持する方法をより貪欲に考えるべき時代に生きていると感じています。

たった200年前10億人ほどだった私たち人類は今や総勢70億人となり、現在も毎日約20万人ずつ増加しています。一人一人の集合体である私たちが少し方向性を間違うと、138億年前に生まれたこの宇宙空間に浮かぶ奇跡の星を簡単に傷つける力まで、持つようになりました。しかしそれでもヒトは生まれ、食事を続けます。ひとたび誕生すると、毎日空腹の信号が届くからです。
 
100万年後の人口はどうなっているのでしょう。どれほどの人々が家族や友人と食卓を囲み、幸せな瞬間を感じているのでしょうか。いかに未来へのバトンを繋ぎ続けるか、意識の片隅にいつも置いておきたい終わり無き大切なテーマが私たちの日常にあります。

 
 
 

TABIKYO JAPAN Co.,Ltd.
Kei Tamura
 
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